4月25日_______

今日も悠は寝不足の状態にある。
ここ最近は例の変化球の事で悩みっぱなしのためである。
朝食をとる姿、洗顔をする姿、制服に袖を通す姿、どれもパッとしない。まだ目が覚めていないのだ。
家を出た頃に、ようやく目が覚めた。こんなものでいいものか・・・

学校に着いたもの、授業なんかサラサラ聞いていない。
悠にとって学校に来るという事は部活に来る、これだけなのかもしれない。
ボーっとしている間に授業は終わり部活の時間が。
「ふー、やっと終わったか。あんなの聞いてられっか」
「その通りだ!!お前とは気が合うな」
悠の小さな声に誰かが反応した。・・・・誰だよ、お前。
聞きなれない声が悠の耳を通る。だが、大して気にせず。声の主を一方的に無視し、進もうとするが、お決まりの様に悠を引き止める
 「ありゃりゃ、無視は駄目だよ悠ちゃん^^」
初対面にも関わらず馴れ馴れしい呼び方。さすがの悠も無視しきれず相手をしてしまう事に。
「はいはい、お前の名前は」
 「ぉ、悠ちゃん話してくれるな?俺は、木村 翔(しょう)。サードを守ってるよん♪」
翔は中々のチビ。160aあるか無いかくらい。
こんな奴が野球部にいたのか・・・。つーかこういう出会いはキャッチャーなものだろ。
とは思うものの口には出来ない悠。そして漫画の見すぎのようだ。
「そっか。宜しく。俺の名前は知ってるようだから自己紹介はいらないよな」
 「ぇ、何も教えてくれないの?楽しみにしてたのに・・・」
「あ、っそ。面倒だからしないわ」

呆れた悠は適当にこの場を流し部活へ。行けば翔と会う事になるが、野球をやっていれば
人も変わるだろうと、微かな希望を抱いている。
グラウンドへ到着すると、当然のように翔が近づいてくる。
来るな、来るな。
無惨にも翔が馴れ馴れしく悠に話しかける。翔は悠と仲良くなりたいようだ。
 「悠ちゃん、おっそいよん♪」
悠の希望崩れる瞬間だった。呆れて何も言えない悠は今日一日、翔を無視する事を決意。変化球の事で悩みっぱなしの悠にとって、翔はうっとうしい以外の何ものでもなかったのだ。
そんな悠に気が付いたのか、翔は悠に話しかけようとはしなかった。
翔に対する第一印象は_____
苦 手

翌日もその次の日、そのまた次の日も翔はお構いなく悠にくっ付いてばっかり。

そしてそれを無視し続ける悠。だか、懲りずに毎日毎日悠に近づく。
その努力もあってか数日後には会話ができるように。翔の努力は見事に叶った。
「今となっちゃ、お前と話すのは苦にならないが最初は大変だったな・・」
 「あり?そんな風に思ってたか。まぁ、しょうがないな」
「お前には苦労したよ、ホントに」
 「ごめん 笑 」

こいつが俺の野球を助けてくれるかな?

やはり悠は漫画の見すぎのようだ。現実世界ではそんなに上手くいくはずがない。
だが、これで悠は翔を認めたようだ。時間を共にする仲間を見つけ、野球にも打ち込めそうになってきた。
しかし、悠は翔の事を何も知らない。出身中学も何もかも。
さてさて翔はいつ頃自分の事を語るのか・・・。それとも言えない何かがあるのか。


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